
訪問・通所の総合事業への移行に批判続出
次の介護保険制度改正をめぐる協議を重ねている社会保障審議会・介護保険部会の会合で,要介護1,2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移す案について,委員からまたも慎重論が相次いだ 。
◆第86回 社会保障審議会 介護保険部会
要介護1,2の訪問・通所を総合事業へ移す案は,財務省が繰り返し訴えてきた経緯がある。
「多様な人材・資源を活用したサービス提供を可能とすることが効率的」と改めて注文した。ボランティアなどの力を借りる仕組みへ転換していき,給付費の伸びの抑制につなげることが狙いだ。
こうした主張には,現役世代の保険料を負担している経済界が賛意を示している。
◆先送りの方向で調整すすむ
一方,高齢社会をよくする女性の会の石田路子委員は
「要介護1,2の方々を軽度者と言うのはどうか。よく考えないといけない。」と指摘。
認知症の人と家族の会の花俣ふみ代委員は
「繰り返し言うしかない。要介護1,2の方々は軽度者ではない。本人の生活を整える生活援助などは不可欠。家族が同居していても認知症の人への支援は苦労の連続だ。」と反論した。